「ハンバーガーといえばアメリカの国民食!」このイメージから、疑いもなくアメリカ発祥の食べ物だと認識している方が多いのではないでしょうか?アメリカで受け入れられたことが、ハンバーガーが世界中に広まるきっかけとなったのは確か。しかし実は……、発祥の地に関してはさまざまな説があるんです!
ここでは、ハンバーガーの誕生エピソードについて、有力候補とされている3つの説を覗いていきましょう。
13世紀、中央アジアに暮していた騎馬民族・タタール人の民族料理「タルタルステーキ」。馬肉を食す彼らが、かたい肉を細かくカットし、玉ねぎや香辛料と混ぜて作ったこの料理が、ハンバーガーに挟む「パティ」のルーツといわれています。このパティ誕生には、肉を柔らかくするために細かく切るのではなく、移動の際に馬の背中と鞍の間に挟むことで食べやすくしていたという説もあります。
後に、この方法がヨーロッパに伝わると、加熱して食べられるようになり、19世紀頃にヨーロッパ移民によってアメリカへ。1904年にセントルイスで開催された世界博覧会で、食べ歩きできるようパンに挟んで提供されたところ、メディアから注目を集めました。これが、肉をパンに挟んで手軽に食べられる「ハンバーガー」誕生の瞬間といわれているのです。
つまり、この「ロシア説」では、パティのルーツはロシア、ハンバーガーとして完成したのはアメリカといえるでしょう。
ハンバーガーの名前は「ハンブルクステーキ」に由来するもの。つまり、ドイツ第2の都市であるハンブルク発祥の食べ物だというのが、この「ドイツ発祥説」です。ハンブルクステーキとは、19世紀に誕生した挽き肉料理のこと。牛肉を挽いて調理したいわゆる「ハンバーグ」、ハンバーガーでいう「パティ」のような料理で、19世紀ヨーロッパの食卓ではおなじみのメニューとして親しまれていました。
ドイツ発祥説では、船乗りたちがこの肉パティを挟んだパンをアメリカに持ち込んだことで、ハンバーガーが庶民の間に浸透していったとされています。
19世紀のアメリカで提供されていた、牛肉パティをパンに挟んだ屋台料理が、現在のハンバーガーの起源となったという説も。また、19世紀から20世紀にかけて、移民によってアメリカに持ち込まれ、パティをパンに挟んで提供するスタイルが浸透したともいわれています。
3つの説いずれにおいても、アメリカに持ち込まれたことがハンバーガーの発展に大きく寄与したことはあきらか。「ハンバーガーはアメリカ発祥!」は、決して間違いではないことがわかりましたね。
ハンバーガーの歴史は、チェーン店の発展なくしては語れません。ここで、現在の世界的なハンバーガー人気の礎を築いた2つのハンバーガーチェーン、そして、その影響を受け日本で誕生したファストフードチェーンの誕生秘話をご紹介します。
アメリカ初、そして世界初のハンバーガーチェーンが誕生したのは、第一次世界大戦が終わり、アメリカが全世界に強固な力を見せつけていた1921年のこと。現在もアメリカ東海岸に展開している「ホワイトキャッスル」のオープンにより、アメリカのファストフード産業が幕を開けました。
こちらお店の看板商品は、「スライダー」と呼ばれる一口サイズのハンバーガー。約5cm四方の四角いバンズに挟まれた小さなハンバーガーを、当時1個5セント(約7円:2024年8月時点)で販売していたといいます。
ちなみに、ハンバーガーなどを紙袋に入れる提供方法も、「ホワイトキャッスル」がはじめて採用した形なのだそうです。
「ホワイトキャッスル」オープンから34年後の1955年、シカゴ郊外に「マクドナルド」が誕生。フランチャイズ制や分業のオペレーションシステムの導入など、飲食業界に革命をもたらし、アメリカ本国はもちろん、世界各国で急速に発展を遂げていきました。
1号店のオープンからおよそ70年が経過した今も、毎年店舗数を伸ばし続けている「マクドナルド」。2022年に「最も価値のあるファストフードブランド」に選出され、2023年には、過去最高の店舗数4万1,822店を達成しています。
日本でハンバーガーが販売されるようになったのは、第二次世界大戦後、GHQに支配下にあった1950年頃のこと。日本各地に建てられた米軍基地の周辺で進駐軍を相手にハンバーガーを売る個人店が増えはじめ、アメリカのファストフード文化が日本で急速に広がっていきます。
そして、1970年に日本初のファストフードチェーン「ドムドムハンバーガー」が誕生。この年に開催された大阪万博では、ケンタッキーフライドチキンが出店し「ファストフード」という新たな食の形を日本国民に示しました。
さらに、翌1971年にマクドナルドの日本第1号店が銀座三越1階にオープンし、1972年に「モスバーガー」「ロッテリア」が相次いで誕生。これらのチェーンの発展をきっかけに、日本ではハンバーガーが「安い・早い・美味しい」の三拍子そろった魅力的なメニューとして、国民の間に浸透していったのです。
ハンバーガーには、発祥の地に関するエピソード以外にも知られざる秘密が!?ここでは、ハンバーガーのおもしろ雑学をご紹介します。
1971年7月20日に「マクドナルド」の国内第1号店が銀座三越内にがオープンしたことから、7月20日は「ハンバーガーの日」とされています。
開店時には、1日で1万人以上が来店し、100万円以上の売上を記録したのだそう。その後、1996年に日本マクドナルド社によって記念日に制定され、現在ではこの日に合わせて全国各地のハンバーガーショップでイベントやキャンペーンが展開されています。
ハンバーガーチェーン売上世界第1位の「マクドナルド」、第2位の「バーガーキング」は、日本でももちろん根強い支持を得ています。しかし、その他の人気店の半数が日本生まれなのをご存じでしたか?ここで、国内の人気ハンバーガーチェーンランキングをみてみましょう。
【第1位】マクドナルド(アメリカ)
【第2位】モスバーガー(日本)
【第3位】ケンタッキーフライドチキン(アメリカ)
【第4位】バーガーキング(アメリカ)
【第5位】ロッテリア(日本)
【第6位】フレッシュネスバーガー(日本)
【第7位】ウェンディーズ・ファーストキッチン(アメリカ)
【第8位】ドムドムハンバーガー(日本)
【第9位】クア・アイナ(アメリカ)
【第10位】シェイクシャック(アメリカ)
ご覧のとおり、トップテンのうち、日本発のチェーン店が4社と約半数を占めています。「モスバーガー」や「ロッテリア」は現在、日本生まれのハンバーガーチェーンとして世界各地で人気を博しており、「モスバーガー」にいたっては、国外で450を超える店舗を展開しているのだそうです。(2023年4月時点)
ちなみに、お米を使った「ライスバーガー」や、甘辛いソースが特徴の「テリヤキバーガー」などは、日本人の好みを知る日本生まれのハンバーガーチェーンから生まれたメニュー。特にテリヤキ味は海外でも人気が高く、「サムライバーガー」などの名で親しまれています。
全国各地で人気を博し、観光の名物にもなっている「ご当地〇〇」。ハンバーガーも例外ではなく、国内で販売されている「ご当地バーガー」は、現時点で100種類超といわれています。メディアで取り上げられることの多い人気のご当地バーガーはこちら。
この他、ラーメンの麺で作ったバンズにラーメンの具をサンドした「喜多方ラーメンバーガー(福島県喜多方市)」や、うどんのかき揚げを挟んだ「さぬきうどんバーガー(香川県さぬき市)」など、ご当地グルメとコラボしたユニークなバーガーも。ご当地バーガー界は、今後もさらに発展していくことが予想されます。
ファストフード、カフェやレストランのおしゃれメニュー、さらにはご当地グルメとして、幅広く愛されているハンバーガー。世界各国で常に発展し続け、日々新鮮な驚きを私たちに提供してくれるハンバーガーから、今後も目が離せません。
歴史的背景を思い浮かべながら、ハンバーガーをおうちでじっくり味わってみたいという方は、パティと相性の良い、バンズ入りのパンスクボックスを試してみてはいかがでしょうか。「パンスクギフト」は、全国各地の有名ベーカリーのパンをご自宅で楽しめる、冷凍パンのギフトボックスです。全国から集めたさまざまな名店のギフトのなかには、バンズ入りのボックスもございます。
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