[toc]
過敏性腸症候群(IBS)に悩む方にとって、パンは「食べたいけど怖い」食品のひとつではないでしょうか。実は、低FODMAPの考え方を取り入れたパン選びをすることで、お腹の不調を抑えながらパンを楽しめる可能性があります。
この記事では、過敏性腸症候群でもお腹に優しいパンの選び方と、具体的におすすめのパン5種類をご紹介します。さらに、食べ方のコツや注意点も詳しく解説していきます。
過敏性腸症候群は日本人の約10〜15%が経験するとされる、腸の機能的な疾患です。腹痛やお腹の張り、下痢や便秘を繰り返すのが特徴で、ストレスや食事が症状を左右することが知られています。
パンに含まれる小麦のフルクタン(フルクトースの重合体)は、FODMAPと呼ばれる発酵性の糖質のひとつです。このフルクタンは小腸で十分に吸収されず、大腸で腸内細菌により急速に発酵されるため、ガスの産生や腸管の水分増加を引き起こします。
そのため、IBS患者が通常の小麦パンを食べると、お腹の張りや痛み、下痢などの症状が出やすくなります。しかし、すべてのパンが同じようにお腹に負担をかけるわけではありません。
低FODMAP食は、オーストラリアのモナッシュ大学が開発した食事療法です。FODMAPとは「Fermentable Oligosaccharides, Disaccharides, Monosaccharides And Polyols」の略で、腸で発酵しやすい特定の糖質を指します。
具体的には、フルクタン(小麦・玉ねぎ等)、ラクトース(乳製品)、フルクトース(果物等)、ガラクトオリゴ糖(豆類)、ポリオール(キシリトール等)の5種類があります。厚生労働省 e-ヘルスネットでも、IBS患者の食事管理の重要性について情報が提供されています。
研究では、低FODMAP食を実践したIBS患者の約70%で症状の改善が報告されています。つまり、パン選びにおいてもFODMAP量を意識することが、快適な食生活への第一歩となります。
それでは、低FODMAPの観点からIBSの方でも比較的安心して食べられるパンを5つご紹介します。いずれも完全にFODMAPフリーというわけではありませんが、通常の食パンに比べてお腹への負担が少ないパンです。
サワードウパンは、IBS患者に最もおすすめしたいパンのひとつです。長時間の自然発酵(12〜24時間以上)によって、小麦に含まれるフルクタンが微生物により分解されます。研究では、サワードウ発酵によってフルクタン含有量が通常の製法に比べて大幅に減少することが報告されています。
選ぶ際のポイントは、イーストだけでなく本物の「天然酵母(サワードウスターター)」を使い、長時間発酵させたものを選ぶことです。既存記事「ライ麦パンの健康効果」でもご紹介しているように、伝統的な製法のパンには健康面でのメリットが多くあります。
米粉パンは小麦を使用しないため、フルクタンをほぼ含みません。低FODMAPの代表格として、IBS患者にとって安心な選択肢です。
ただし、市販のグルテンフリーパンには、イヌリン(チコリ由来の食物繊維)やはちみつなど高FODMAPの原材料が含まれている場合があります。原材料表示を確認し、シンプルな配合のものを選びましょう。
スペルト小麦(ディンケル小麦)は古代小麦の一種で、通常の小麦に比べてフルクタン含有量が少ないとされています。モナッシュ大学の研究でも、スペルト小麦のサワードウパンは低FODMAP食として適量であれば許容範囲とされています。
さらに、スペルト小麦はタンパク質やミネラルが豊富で、消化しやすいという特徴もあります。お近くのベーカリーでスペルト小麦パンを見つけたら、ぜひ試してみてください。
オーツ麦(オートミール)は低FODMAPの穀物で、食物繊維β-グルカンを豊富に含みます。ただし、1食あたりの適量は約半カップ(52g)程度で、それ以上になるとFODMAP量が増える点に注意が必要です。
オーツ麦パンは水溶性食物繊維が豊富で、腸内環境を穏やかに整える効果も期待できます。厚生労働省「日本人の食事摂取基準」でも、食物繊維の適切な摂取が推奨されています。
そば粉は低FODMAPの食材で、ルチンやマグネシウムなどの栄養素も豊富です。そば粉を使ったパンは、フルクタンの心配が少なく、独特の風味が楽しめます。
加えて、そば粉はタンパク質の質が高く、必須アミノ酸のバランスに優れています。ただし、そばアレルギーの方はもちろん避ける必要があります。
パンを選ぶ際は、以下の高FODMAP原材料が含まれていないか確認しましょう。
一方、砂糖(スクロース)やバター、オリーブオイル、卵などは低FODMAPの原材料です。これらを中心に使ったシンプルなパンを選ぶのがおすすめです。
低FODMAPのパンであっても、一度に大量に食べるとFODMAP総量が増えてしまいます。1回の食事で食パン1枚(6枚切り相当)程度から始め、お腹の調子を見ながら量を調整するのが賢い食べ方です。
また、ゆっくりよく噛んで食べることも大切です。咀嚼によって唾液が分泌され、消化酵素のアミラーゼがデンプンの分解を助けます。早食いは空気を飲み込みやすくなり、お腹の張りの原因にもなります。
実は、街のパン屋さんの中には、長時間発酵にこだわったサワードウパンを焼いているお店が増えています。大量生産のパンでは難しい12〜24時間以上の発酵を行うことで、小麦のフルクタンが自然に分解され、結果的にお腹に優しいパンになるのです。
たとえば、ある地方のパン屋さんは「お客さまから"このパンだけはお腹が痛くならない"と言ってもらえるのが何より嬉しい」と語ります。手間と時間をかけた本物の発酵パンには、職人の想いと科学的な裏付けの両方が詰まっています。
全国100店舗以上のパン屋さんと提携するパンの定期便サービス「パンスク」では、特許取得済みの冷凍技術を用いて、こうしたこだわりのパン屋さんのパンを全国にお届けしています。天然酵母や長時間発酵など、丁寧な製法にこだわるパン屋さんのパンとの出会いが、IBSに悩む方にとっても新しい選択肢になるかもしれません。
IBSの症状は個人差が大きいため、ある人に合うパンが別の人には合わないこともあります。そのため、食べたパンの種類・量と体調の変化を記録する「食事日記」をつけることをおすすめします。
2〜3週間続けることで、自分にとってのNG食品やOK食品のパターンが見えてきます。既存の記事「ドライアイ対策におすすめのパン」でもご紹介しているように、栄養バランスを意識しながらパンを選ぶことが大切です。
低FODMAP食は自己判断だけで進めるのではなく、消化器内科の医師や管理栄養士に相談しながら実践することが重要です。IBSと似た症状を示す他の疾患(セリアック病、炎症性腸疾患など)の可能性を除外するためにも、まずは専門家への相談をおすすめします。
過敏性腸症候群だからといって、パンを完全に諦める必要はありません。低FODMAPの考え方を取り入れ、サワードウパン・米粉パン・スペルト小麦パン・オーツ麦パン・そば粉パンなど、自分に合ったパンを見つけることで、毎日の食事がもっと豊かになるはずです。
大切なのは、焦らず少量から試し、自分の体との対話を続けることです。全国のパン屋さんのこだわりパンに出会える「パンスク」で、あなたに合うお腹に優しいパンを探してみてはいかがでしょうか。
※本記事は情報提供を目的としており、医療アドバイスではありません。過敏性腸症候群の症状がある場合は、消化器内科など専門の医療機関にご相談ください。低FODMAP食の実践も、可能であれば管理栄養士の指導のもとで行うことをおすすめします。
はい、パンの種類と量を選べばIBSでも楽しめます。小麦パンに含まれるフルクタンがお腹の不調を引き起こすことがありますが、サワードウパンや米粉パンなど低FODMAPのパンを選ぶことで症状を抑えられる可能性があります。ただし個人差があるため、少量から試すことが大切です。
低FODMAP食は、腸で発酵しやすい特定の糖質(フルクタン、ラクトース、フルクトースなど)を一時的に制限する食事療法です。オーストラリアのモナッシュ大学が開発し、IBS患者の約70%で症状改善が報告されています。除去期・再導入期・維持期の3段階で進めるのが基本です。
サワードウパンは長時間の自然発酵によって、小麦に含まれるフルクタン(FODMAPの一種)が分解されます。研究では、従来の製法に比べてフルクタン含有量が大幅に減少することが報告されています。そのため、通常の小麦パンよりもお腹への負担が少ないと考えられています。
米粉パンはスーパーや専門店のほか、パンのサブスクリプションサービス「パンスク」でも全国のパン屋さんから届くパンの中に米粉パンや天然酵母のサワードウパンが含まれることがあります。また、グルテンフリー専門のオンラインショップでも購入可能です。
一般的に、通常の食パンや菓子パン、ライ麦の含有量が多いパン(ライ麦100%パン)はフルクタン含有量が高い傾向があります。また、はちみつや高果糖コーンシロップを使ったパン、ミルクをたっぷり使ったパンもFODMAPが高くなりやすいため注意が必要です。
全国のパンのお取り寄せができる
パンスクオンラインストア
300円クーポンをプレゼント