「デュヌ・ラルテ」は2000年12月に青山骨董通りに誕生した後、表参道GYLEビルにて10年間の営業を経て、紀ノ国屋等々力店で10年間製造・販売。20周年を記念した2021年4月に青山骨董通りに凱旋移転したという経緯が。
表参道GYLEビル時代から、ベーグルのような形をしたおもちのようにもっちりとした食感のパン「ホノカ」の大ファンだったという木南さん。
「表参道からなくなってしまって残念……と思っていたのですが、等々力に移転していたんですね。姉に骨董通りに店舗が復活したと聞いて、大興奮でした」と目を輝かせます。今回のオリジナルパン制作は「デュヌ・ラルテ」とのコラボと決まりました!
“類にも稀なる”という意味をもつ「デュヌ・ラルテ」のシェフを務めるのは、昨年9月に着任された本間さん。一見シャイで物静かそうに見える本間シェフですが、パンへの愛は並々ならぬもの。その静かな情熱は店内に並ぶ美しい作品からも伺えます。パンを作る際は、多加水でくちどけのいいものを、そして毎日食べても飽きがこない味わいにこだわりがあるのだそう。
木南晴夏(以下、木南)
「コラボするにあたり、和食材である「ひじき」「梅」「納豆」をお題に挙げさせていただきました。テーマは“わたしの好きなおにぎりの具材”です!」
本間シェフ(以下、本間)
「そういうことだったんですね! いや~、正直難しかったです(笑)」
木南 「やっぱりそうですよね。今まで日本全国のパンを数えきれない程食べてきたのですが、私のテンションがいちばん上がるのは、見たこともないようなパンに出合えたときなんです。“和食材”の中でも、明太子やのり、あおさとかは見かけたことがあるんですけど、今回のお題となる食材を使ったパンにはいまだ出合ったことがなくて。みんなが手を出していないということは、それだけ難しい食材だということだというのは重々承知なのですが…どうしても食べてみたくて、無理難題を出してしまいました(笑)。」
今回、本間シェフがオリジナルパン作りに選んだ食材は「ひじき」(写真奥)と「梅」(写真手前)。「納豆」については何度も試作を重ねたものの、パンの酵母菌と納豆菌がケンカしてしまい、どうしても納得のいくものができなかったのだそう。「こねるときもネバッネバで悲惨でしたね」と苦笑いの表情を浮かべる本間シェフ。
まずは「ひじき」を使ったパンを手に取る木南さん。
木南 「ミニ食パンみたいでかわいい♡ しかも生地がふわっふわ!! この中のツブツブは何ですか?」
本間 「大豆です。ひじきと一緒に煮て入れてみました。ひじきだけだとどうしても味も食感もインパクトが弱くなってしまうので。さらにじゃこで魚の風味と塩味もプラスしています」
木南 「たしかにいいアクセントになってますね。おにぎりを食べているみたいな不思議な感覚! こんなにおいしくて、栄養面とのバランスもバッチリなんて感動! これなら子どもも喜びそうです」
本間 「朝食にもぴったりだと思います。リベイクするとサクッとした食感を楽しめますし、プラスでバターやチーズをのせて食べるとさらにうまみが増しますよ」
お次は「梅」のパン。こちらのこんがり焼かれたスティック状のパン生地はハードタイプ。約3cmの直径は、女性の小さい口でも噛みちぎれるように計算されたサイズなのだそう。
香りをかいだ木南さんから思わず歓声が!
木南 「え、甘い匂いがする! これは意外でした。梅ってお題を出しているので、てっきりお食事系のパンができるものだと思い込んでいて!」
本間 「実はこれ、干し梅を使っています。梅干しでもチャレンジしてみましたが、梅干しだとどうしても塩味が際立って、しょっぱくなりすぎてしまうんです。入れる量を少なくすると風味は残るけれど、食感がなくなり“梅感”が薄れてしまいました。今回はそのバランスが取りやすかった干し梅と、甘みの効いた白あんを混ぜることに」
木南 「たしかに、これだと梅の果肉感もあるし、口に入れた瞬間梅の風味がふわっと広がっておいしい! ハードならではの歯ごたえで、噛めば噛むほどおもちのような食感です。白あんとの組み合わせは、まさに“和菓子”ですね。」
本間 「干し梅の配合量は何度もトライ&エラーを繰り返しました。スティック状にすることで、ひと口ごとにバランスよく、ハード系の生地と白あんが均等に味わえるのもポイントです。ぜひガブリとかじって食べてもらいたいです」
木南 「おやつ時間に、日本茶に合わせてまったりしながらいただきたいです。片手で食べられるし、ピクニックとかにもよさそう」
本間 「これからの季節、冷蔵庫で冷やしてデザート感覚で食べるのもおすすめです」
木南 「短い製作期間でこんなにおいしいパンができるなんて、さすがデュヌ・ラルテさん! 本当にありがとうございます!」
木南 「このオリジナルパンが当たった人には、和食材を使った唯一無二のパンとの新しい出合いをぜひ楽しんでもらいたいです。みなさんがどんな反応をされるかワクワクしますね」
本間 「初めての挑戦なのでドキドキしますが、自信はあるので反応が楽しみです!」
今回のオリジナルパンについて、「点数をつけるなら、もちろん100点満点! 想像をはるかに超える仕上がりに感動しています」と木南さん。木南さんを唸らせる仕上がりを、ぜひご体感ください。
Shop Data
「d’une rarete(デュヌ・ラルテ)青山本店」
●東京都港区南青山5-8-10萬楽庵ビルⅠ 1F
●03-6427-2724
●営業時間:1階Boulangerie 10:00~19:00 2階 Café 11:00~18:00
※売り切れの場合、閉店時間が早まることがあります。
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