コーヒーと一緒にささやかな贅沢時間を

Diary With Bread

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大阪
BLUE TREE FAVO

コーヒーと一緒にささやかな贅沢時間を

大阪市内から電車で約40分。和歌山県へと続く南海本線に揺られて向かったのは、ファミリー層から人気の高い大阪狭山市。水と緑豊かなこの町で、パンとコーヒーのお店として親しまれている「BLUE TREE FAVO」を訪ねた。

「ここのパンが週に1度の楽しみ」

お店を営んでいるのは、青木康晃さん彩圭さんご夫婦。「気負わず日常的に通ってもらえるような空間を目指した」という店内は、お二人の和やかな人柄や木の温もりが伝わる落ち着いた雰囲気で、ヘリンボーン柄の天井、ヴィンテージの趣あるランプシェード、壁には「青い木の下のパンの街」と題した水彩画が飾られている。
午前9時にお店のシャッターが上がると、早速1人目のお客様が自転車でご来店。4枚切りの食パンや、旬のフルーツを使ったデニッシュなどを手慣れた様子でレジに運び、「ここのパンが週に1度の楽しみなのよ」と教えてくれた。康晃さん曰く、大阪狭山は「住む人も土地柄も穏やかであったかい場所」。一方でしっかりとこだわりを持っていて、新しいもの好きな人が多い印象もあるそうだ。「だから定番のパンだけに満足せず、新作も定期的につくっていきたいので、定休日は試作の時間に充てています。いつもの食卓に、ちょっとした贅沢をお届けできるパン屋でありたいんです」と語る。

コーヒーに合わせたくなる、こだわりのパン

そんな話をしている間も、お客様が途切れずにご来店。この日は40種類ほどのパンが並んでいたが、中でもアーモンドクッキークロワッサンなどの菓子パン類が人気のようだった。「僕自身コーヒーが好きなので、コーヒーに合うような甘いパンがいつの間にか増えてしまって」と話す康晃さん。また、常連のお客様の多くがやわらかいパンを好まれていることもあり、「やわらかいものはよりやわらかく、ハードパンも少しやわらかめに仕上げています。シンプルなハードパンのおいしさも、より多くの方に楽しんでいただきたいので」と、優しい表情で語ってくれた。
オープン当初からご夫婦だけで切り盛りし、営業日は午前3時に出勤する生活を送っているとのことだが、店頭に立つお二人は終始穏やか。その人柄からつくり出されるお店の空気感がとても心地よく、取材が終わってもしばらく長居したくなってしまった。パンはもちろんのこと、お二人のキャラクターもBLUE TREE FAVOの大きな魅力なのだろう。

「また来たいな」と思ってもらえるように

レジでの接客やドリンク、パンスクBOXの梱包などは彩圭さんのご担当。コーヒーは馴染みの神戸のお店に焙煎を依頼しているそうで、「パンとの相性も念頭にはありますが、コーヒーそのもののおいしさを知るきっかけにもなれたらと思っていて。飲みやすいものと、味の冒険を楽しめるスペシャルティコーヒーをバランスよく選んでいます」とのこと。他にも季節限定の自家製ジュースが数種類あり、ドリンクメニューの豊富さから元バリスタというご経歴ならではのこだわりも感じた。
そして取材終盤に彩圭さんが何気なく語った、「私自身も夫のつくるパンが好きなので」という一言が印象深く残っている。「だからこそ自分の接客でがっかりさせないように、また来たいと思ってもらえるように、ということは日々心掛けています」。取材中にご夫婦が言葉を交わされるタイミングはそれほど多くなかったが、話さなくても通じ合える、そんなお二人の絆を感じたひとときだった。

コーヒーと一緒にささやかな贅沢時間を

大阪 BLUE TREE FAVO

〒589-0011 大阪府大阪狭山市半田6-1129-1シティパレス狭山1階

https://www.instagram.com/bluetreefavo/

(2023年8月取材時の情報です)

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